「この世界の片隅に」

8月6日。
日本では忘れられない日。 忘れてはならない日。

この世界の片隅に 上・中・下    こうの史代 作

A.jpg


漫画です。 作者のこうの史代さんは1968年広島生まれ。
この人は「夕凪の街 桜の国」で初めて知りました。
「夕凪の街・・」は広島で被爆し、戦後を健気に明るく生きる女性が、幸せを目の前にしながら原爆症で亡くなる話でした。 明るい漫画なのに、最後の最後で被爆者の悲しみ・行き場の無い怒りが書かれています。

「この世界の片隅に」は、広島出身で呉に嫁いだ普通の女性、世界の片隅で普通に暮らす家族の話です。
主人公の実家は広島で原爆に会いますが、主人公は幸いに被爆はしませんでした。
でも戦争とは無縁ではありません。 幼い姪と出かけた先で、不発弾で手を繋いでいた姪と自分の片手を失います。 幼い姪を助けられなかった事、大好きな絵をかけなくなった事。 生きる望みさえ無くしかけますが、家族が彼女を支えます。
そんな中、広島に原爆が落ちます。 漫画の中では原爆の被害は余り描かれていません。
しかし、爆風で飛んできた障子や、大火傷を負って逃げてきたこと切れた若者の話、実家の家族が被爆して亡くなったり、間接的に被爆の実態が描かれています。
終戦後に夫と一緒に広島の町を訪ねた主人公は、しらみだらけの孤児を拾います。
この子は母親と一緒に被爆し、母親は片腕を無くし逃げるうちに座ったまま亡くなっており、子供はそれを知らずに一緒に座り続けていた事が書かれています。
座ったままの母親に蠅がたかり、蛆がわき、子供は母親の死をしります。
終戦の混乱の中、孤児となり食べ物を拾い食いしていた子の前に、片腕の無い主人公が座っていました。
子供は拾ったおにぎりを主人公に差し出します。 母親を思い出したのです。
二人はこの女の子を呉の家に連れ帰り、家族は新しい家族として当然の様に迎え入れます。

「夕凪・・」では生きられなかった普通の女性が、「この世界・・」では、家族と共に戦後を生きて行く。
世界の片隅の普通の生活が続けられる幸せ・・・。





こんな猫達でも、一緒に暮らせる幸せをありがとう・・・。


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テーマ:日記 - ジャンル:日記

コメント

[title]:

anemoneさん、

井上やすしさんが無くなった時のanemoneさんの記事ですね。
「父と暮らせば」。
この話、ちょっとだけ「夕凪の街 桜の国」と似てるんです。
黒沢監督の作品は題名しか知りませんでした。
今度探してみます。

anemonoさんがおっしゃる様に、被害者とか加害者とか争うのではなく、
戦争の悲惨さは共通の物として、興味を持ってもらえると嬉しいですね。
アメリカ人に勧めたanemonoさんは、偉い!
アメリカ人でなくても、今や日本人でも原爆の事を知らない若者も増えているそうです。
この漫画はどちらかというと大人向けだと思いますが(兎に角判り難い絵とコマ取りです)、
小説よりはとっつきやすいので、色々な人に読んでもらえればなあ・・・。
でも大事な事は忘れない事! 繰り返さない事!

学生の頃、考古学を専攻しましたが、日本では考古学は歴史学の一分野です。
(アメリカでは文化人類学だそうです。)
歴史学って何の為にあるのだろう? そこから学ばなければ、存在意義が判らない・・。
でも残念ながら、人類ってのは、同じ事ばかり繰り返す生き物みたいです・・・。




  1. 2010/08/08(日) 19:21:04
  2. URL
  3. REI #-
  4. [ 編集 ]

[title]:

薄皮饅頭さん、

火垂るの墓(タイトル、私、間違ってましたね)、教科書に載っていたのですか!
その感受性の強い子供だったら、読めないんじゃないのかな。
野坂昭如だから文体は個性的でしょう。 私、文体は殆ど覚えてないのです。
結末というか、導入部がショックで。
はだしのゲンも内容は実は良く知らない。
ただ、映像として見たいとは思えないのです。
見る勇気が無いのが主な理由ですが、実際の残虐性・悲惨さを映像で再生するのは無理だろうし、
映像は慣れと鈍化をもたらす可能性もあると思うのです。

生き物は全て己の遺伝子を残すのが生存の目的ですから、
その為には何でもするのだと、私は思っています。
特に今地球上に君臨しているも同然の人間は、遺伝子を有利に残す為なら同種も殲 滅できる。
人の中の凶暴性の発散の場という説は一理あると思います。
進入してきた強盗を正当防衛で完膚無きまでに叩き 潰す。
強盗に襲われる前に、強盗と思われる奴をやっつける。
強盗が住んでいるけど、誰が強盗か判らないから、村中 殲 滅する。
強盗が襲おうと思わない様に、己の力を誇示する。その為には隣近所を多少犠牲にしてもかまわない。
戦争って個人の単位でみたら、こんな事?
人一人 こ ろ すと殺人罪ですが、多くを こ ろ せば英雄。 良く言われる事ですね。
そこがどうしても理解出来ない。
家族を こ ろ した犯人を計画的に こ ろ す ことは犯罪。
家族をこ ろ すかもしれない集団を、国家を背負ってやっつければ英雄。
判りません・・・・。

人は痛みや悲しみにも耐久性があると思います。
可哀相と思う心と日々の生活は別物なのかもしれませんね。
多くを期待されても自分も何もしてないから、
年に1回位は多くの方の犠牲の上に成り立っている、
今の幸せを必要以上に声高に言う日もあっても良いかなという程度の記事です。

anamoneさんが書いていらっしゃるけど、「父と暮らせば」とか、「明日」とか、
この漫画とか、そういう物の方が悲惨さを逆に良く表していると思います。
それが感じられないと危ないかも・・・。





  1. 2010/08/08(日) 19:09:08
  2. URL
  3. REI #C/OV0qb.
  4. [ 編集 ]

[title]:

ワタシも裸足のゲンが最初の「原爆」
それはもう、絵がこわくてこわくて・・・でもやめられなくて・・・小学校でも映画で見た気がするなぁ。
色々あるけど、印象的なのは黒澤明の八月の狂詩曲。長崎の原爆のおはなし。おばあさんがいいの。最後のシーンはすばらしい。
それと、前にブログでも書いたけど、父とくらせば・・・かな?
映画は宮沢りえちゃんが素晴らしい。
アメリカに来る時に、果たしてワタシはアメリカ人に、原爆のことをちゃんと伝えられるか!?ってまず考えたの。なので、原作は英語=日本語版を買って、アメリカ人の友人に回し読みしてもらいました。
ほっといたら、そんな話は話題にものぼりませんからね・・・
みんなすごく興味をもってくれましたよ。
加害者とか、被害者とか、そんなことは飛び越えて、原爆というものがいかに恐ろしい、人類すべての脅威であるかを知らせることが未来につながると信じます。
やっぱりみんなが感じるいい媒体は多くの人をひきつけるから、こういうマンガがあるのはいいことですよね!若い人たちに、子供たちに読んでもらいたいな。

  1. 2010/08/08(日) 15:28:38
  2. URL
  3. anemone #0XD2YVB.
  4. [ 編集 ]

[title]:

ワタシ『はだしのゲン』のマンガ読みましたよ。小学生のときかな。
ちょっと絵がリアルなのでショッキングでしたね。
気持ちのとても弱い子が同じクラスにいて、
彼女は「戦争」という言葉が出てきただけで具合が悪くなって
保健室に運ばれていくような子だったの。
コドモだったワタシは弱虫過ぎる!って思ったけれど、
今思い出すと、ホントはワタシよりも戦争の悲惨さを理解してたから
こそそうだったのかもしれないなぁと思います。

『火垂るの墓』は原作を国語の教科書で読みました。独特の文体ですよね。
アニメーションも観たけれど、何度見ても小さなコドモがいじらしくて
涙が出ます。

戦争ってワタシの理解の範疇を越えた争いだなぁといつも思います。
自分ちに強盗が押し入って来て家族がやられそうになったから
助けようとして相手をやっつけちゃうっていうのはわかる。
それの規模が大きくなったものが戦争だっていうけれど、
なんだか違うような気がします。
一説にはニンゲンのココロの奥底には戦いに憧れる心理があって、
戦争がそれを鎮めるのだとか、
戦争がないから日常生活の中に暴力的犯罪が増えるのだとか言うけれど、
もしもニンゲンに知性というものがあるのであれば・・・
いや、ニンゲンは本当に知性なんて持っているんだろうか?

以前おつき合いで知人の参加する朗読会の発表会を見にいったことが
あるのだけれど、そのとき読まれたものがやはり原爆をテーマにした
ものでした。地元ではなく出先の田舎でのこと。
教会で行われたのですが、集まった観客席のあちこちから、
鼻をすする音が聞こえて来ました。
でもね、発表会がお開きになった途端、何故かみんな我勝ちに
下駄箱(教会には皆クツを脱いで上がっていたのです)に殺到して
押し合ってた。
ヘンな言い方だけど、その押し合いと戦争とは同じものかもしれないと
そのときイヤな気分になりました。
戦争の体験談を知ったところで、同情はできても本当の理解は
できないのかもしれないなあと思いました。

アレ?なんか話が思いっきり横道に逸れちゃったけど(ゴメン!)、
REIさんご紹介のマンガ、暗くて悲惨なテーマを明るい視点から
捉えているというところがいいですね。
これでもかこれでもかというものよりも、そのほうがかえって
じんわりとココロに沁みるものがあるような気がします。
ワタシがアマノジャクだから(^^;)?

原爆の日は本当は国民の祝日にするとか、
せめて投下時刻になったら国民全員が手を止めて黙祷するとか
すればいいのにといつも思っています。
原爆落とされたニホンジンだからこそできることや言えることは
あるはずなのに、軍国主義と外国に勘違いされるの怖がっていては
先進国として恥ずかしいですよね。
あーコメントまで巻物になっちゃってごめんなさい。

  1. 2010/08/07(土) 22:41:33
  2. URL
  3. 薄皮饅頭 #-
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[title]:

鍵コメさん、

私もはだしのゲンは見た事がありません。(御存知ですか?)
これからも見る事は無いと思います。 見る勇気が無い。
一寸違いますが、ホタルの墓もアニメは見た事がありません。 絶対見ません。
原作を読んで、これはとても映像化出来るものでは無いと思いました。 余りにも哀れで・・。
人は慣れるものです。 どんな残虐な場面でも、自分が生きて行く為には慣れて忘れてしまう。

原爆資料館は大人になってから妹と行きました。 妹はとても見られないと言いましたが、
私は逆に目を逸らす事が出来ませんでした。 それまでにTV番組で色々と見ていた私と、その手の番組を見てこなかった妹とは受け取り方が違った様です。 鍵コメさんはさらにずっと幼かったのですから、適切な時期であったかどうかは、判りません。
人間という愚かな化け物がしでかした事、その為に命を生活を失った人々の事を
しっかり見て、知る義務があると、その時に思いました。 本当はさらに広める義務もあるのでしょうが・・。

私が小学生の頃に、学校で映画を見に行く行事がありました。 (流石に屋外ではないですよ)
見た映画の1本が沖縄戦が舞台の映画で、タイトルも内容も殆ど覚えてはいませんが、
沖縄の少年兵が爆弾を持って、戦車に体当たりする場面があった様に思います。
肉弾戦です。 気持ち悪くて怖くて画面を見ていられず、外に水を飲みに行く振りをして出ました。
給水器は皆同じ気持ちで長蛇の列でした。
鍵コメさんと似た様な状況でしょうか?
子供の私はそれが戦争の姿だと思いました。 他の戦争映画の様にかっこ良く無い。 
暗くて、不気味で、怖くて、痛くて、汚くて、苦しみだけ。
それが私の反戦(といえるかどうか)の原点だと思います。
まあ、特に何もするわけのない、軟弱反戦ですけど。

無理に読まれる必要は全く無いと思います。 鍵コメさんは充分に御存知で、考えていらっしゃる。
それが大事なのではないでしょうか。 (そうでないと、私もはだしのゲンを見なければいけなくなる・・)
こういう話を読んで涙を流すと、それで満足してしまう自分がいます。
それより、何故と問いかける事はとても大事な事なのだと思います。

原爆を扱った作品で一番は、長崎の原爆投下までの1日を扱った「明日」という番組だと思います。
これは映画にもなった様ですが、私が見たのはTVでした。
市井の人々の普通の生活が淡々と描かれているだけです。 そして、その時に全てが終わってしまった人々の。
私の記憶では被爆場面は無かった様に思います。 それでも一番記憶に残る原爆関係の番組でした。
この漫画はそれに似た所があります。 あまり旨く無い?ゴチャゴチャしたコマワリの、でもホンワカした絵で、ユーモアもある話です。 でも辛い話です。 読むと何となく良い人になった様な気がしてしまいます。(苦笑)
ですから、無理をなさる必要は無いと思います。
大事なのは、
         いっぱい有り過ぎて難しい・・・。


  1. 2010/08/07(土) 20:31:49
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  3. REI #-
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[title]:

moguさん、

私のつたない説明だと良さが伝わらないかと、アマゾンのサイトにリンクを貼っておきました。
この人の漫画?は、残虐な場面が殆ど無いのです。
絵も上手と言えるのかどうかですが、ホンワカ柔らかい絵です。
それがかえって戦争は、普通の生活や些細な幸せを壊して奪ってしまう事が伝わってきます。
この漫画は同時にその不幸から立ち直る家族の話でもあります。

今、日本では100歳以上の長寿の方々の行方が判らなかったり、
親による子供の虐待報道が毎日の様にあります。
家族という物が壊れてしまっている。 地域も壊れている。
悲惨な終戦直後でも互いを助け合う家族や人々から、
漫画といえども、家族のあり方を見直す機会にもなる様に思いました。





  1. 2010/08/07(土) 19:59:10
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  3. REI #-
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[title]:

REIさんの説明ですごく興味が惹かれましたよ。
時が経って、当時の様子を語ってくださる方々も
少なくなってきたから、このような本はとっても
貴重ですよね。
私達戦争を知らない世代が想像するよりも、遥かに
酷かった事。
決して繰り返さない様、今ある当たり前の生活が
どれほど幸せでありがたいかを、改めて考えさせて
くれる作品ですね.....
  1. 2010/08/07(土) 04:41:58
  2. URL
  3. mogu07 #dsgD8nx.
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  1. 2010/08/07(土) 04:37:25
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